チェンマイ県にあるメジョー大学では、面白い交雑育種を行っていました!
何と、、、在来種同士の交配により、より甘いメロンを作る試みでした。

在来種」とは、その地域で昔から栽培されており、基本的には表現型の大幅な改良を目的とした交雑育種を行わず、従来の特徴を維持し続けた系統の事を指します。遺伝資源としても、とても貴重な野菜や果物などが多いです。

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今回の主役は、メロンです。
写真のように沢山の在来種が集められ、交配に利用されていました。

メロンは北アフリカを原産とした説が有力であり、その後は地中海やヨーロッパを周る経路と、インドや中国を周る経路で品種改良が進んで行きました。

平成生まれの日本人が想像するメロンと言えば、網目状の模様が入った「ネットメロン」だと思います。しかし、大正時代に流通していたのは果皮がツルツルとした「マクワウリ(ノーネットメロン)」です。

マクワウリはインドや中国に在来種が多いとされ、タイには中国経由で入ったのだと思います。
そのため、メジョー大学のあるチェンマイ県でも多くの在来種を見ることができました。

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マクワウリと言えば、こんな感じで楕円形のイメージです。肉質もキュウリなどの一般的なウリ科野菜に近い感じで、ネットメロンよりも固いです。果肉も白色〜緑色に近いかと思います。

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これは、赤肉系の系統から選抜された個体だと思います。
先の写真のメロンよりも、果肉がオレンジなのが分かると思います。甘みも、やや強くなっていた記憶があります。しかし、ネットメロンのような甘い香りは弱かったです。

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これは、丸系の形をした系統です。
素材となる在来種が多種多様なため、形までコントロールできるようです。
可食部も多く、ネットメロン並みな気がします。

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今回の写真を含め、「在来種=黄色」と言う印象がある方もいると思います。しかし、それは成熟した果実だからです。実際の栽培では、収穫までは真っ白な個体もあります!
ここまで白いとインパクトもあり、とてもきれいでした。

以上、在来種メロンの育種についてでした。
冒頭で述べた通り、在来種は従来の形質を遺伝的に維持し続けることが大命題です!
それを交雑育種に利用し、新しい品種作りを目指すと言う発想がとても印象的でした。

是非、タイの市場でノーネットメロンを見つけたときは味見してみて下さい。ネットメロンとは違う味わいがあり、癖になりますよ。
それでは、また次回ッ!
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