塩類集積」ってご存知ですか?
被害が深刻な場所では地面が真っ白になってしまい、その原因は名前の通り“塩”によるものです。

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農業の水やり設備を「灌漑(かんがい)設備」と呼びますが、灌漑設備が整ったことで降雨の少ない季節や地域でも農作物の栽培が可能になりました。
しかし世界的には灌漑設備を有する農地の内5割近くが塩類集積の被害を受けていると言われています。特に、アジア地域のインドや中国が深刻ですが、タイも例外ではありません。

土壌に塩類が集積している原因は大きく分けて2つです。
1つ目が、土地が隆起することで大陸となった場合です。この場合は、海岸から離れた農地でも塩類集積を観察することができます。 
2つ目が、過剰施肥による塩類集積です。特に路地栽培ではなく、施設栽培で観察されやすいです。原因は自然の降雨がなく、塩類の流亡につながらないためです。

塩類集積が酷くなると作物が育たなくなります。
植物の体の中でイオン吸収(栄養吸収)不足や浸透圧での水分不足などが起こります。

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タイでは、ナコンラチャシマ県やコンケン県などの東北部での被害が酷いですが、実は色々な畑や水田で観察できます。バンコク近郊では、私はナコンパトン県の畑で見たことがあります。

塩類が集積していると、上記写真のように耕運をした際(右端)にも白い部分が観察できます。

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写真は、ナコンラチャシマ県に行った時の写真です。
白くなっている部分が「塩類」です。

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道端でも観察することができ、ここまでくると被害が大きいと考えられます。

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塩類が地面に浮かんでくる原因は、ナコンラチャシマ県の場合は地層の岩盤にあります。
写真は、地層の岩盤から塩を生産している会社を見学した際のサンプルです。

白い層が塩です。
灌漑設備のある農業では大量の水を散布することができ、その水がこの塩の地層まで落ちていきます。
続いて、農作物の収穫が終わり灌漑が不要になります。さらに、暑季になると雨もがなく、地下の水が蒸発することで地表へ上がってきます。この蒸発に合わせて、イオンとして塩類が地層まで上がってしまうのです。

一度地表に出てきた塩類を取り除くのは非常に難しいです。
対応する方法は3つのみです。
1つ目は、灌漑を続けながら農業を行う方法です。
2つ目は、耐塩性のある作物を栽培する。ソルガムやオオムギなどのイネ科やササゲやダイズなどマメ科が比較的強いとされています。
3つ目は、塩類を体内の蓄積できる植物の栽培して、取り除く方法です。しかし、食用にならない植物が多く、農業経営ができないデメリットがあります。

塩類集積の問題だけでなく、持続可能な農業は世界的に求められています。 
飽食の時代と言われていますが、消費者の我々も現場に目を向けると考え方が変わりますね。
それでは、また次回ッ!
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