中華系の料理として一般的な「ピータン」と「塩卵」ですが、実はタイの食文化でも欠かす事のできない食材です。
恐らく、タイでは華僑の食文化として広まったのだと思います。

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タイ語は、ピータンは「カイ ヨー マー」塩卵は「カイ ケム」です。
カイは卵の意味です。ヨーマーは、馬(マー)の尿(ヨー)となります。確かにアンモニア臭に近いですが、素直なネーミングセンスですね。
ケムは塩っ辛いという意味であり、これまた素直なネーミングです。

卵の種類について決まりは無いですが、“なぜアヒルの卵?”なのかが気になりますよね。

答えは簡単で、殻が厚いからです。
長期熟成の期間を要するピータンや塩卵が途中で割れないようにする為にも、鶏の卵より殻が厚いアヒルが選ばれたようです。
アヒルの卵は鶏よりも泥臭いので、それが原因と言うこともありそうですが。

ちなみにピータンの場合は、中国の明の時代(1370年頃)に偶然にも灰の上でアヒルが卵を産んだことが発祥のようです。
数カ月間も卵が見つからずに熟成し、それを食べた本人も凄いですね。

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加工目的は、卵の長期保存です。
鶏やアヒルが1日に産める卵は1個だけです。多頭飼いをしていて卵を毎日食べるのも大変ですし、気温の高いタイでは直ぐに痛みます。
そのため、卵を熟成させる食文化へとつながったのでしょう。

ピータンなら1年前後塩卵は3ヶ月間なら常温の暗所で保管できます。

ピータンの作り方はタイでは元々は土・石灰・籾殻で覆って熟成させたようですが、現在は石灰をベースにした材料をまぶして熟成させます。ピンク色なのは石灰の成分です。

石灰のアルカリ成分が浸透し、卵のタンパク質が変成して黒色になるようです。
独特な香りも印象的ですが、ゼリー状になった白身も忘れられません。

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塩卵は、茹で卵を高濃度の塩水に漬けたものです。

白身と黄身の水分が抜け、少し乾燥気味の食感になります。
黄身の色は、左の茹で卵と比べると、やや茶色くなります。

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食材の使い道としては、
ピータンは定番のお粥や冷奴に合わせられるだけで無く、タイでは寿司のネタ(右下)にされる事もあります。
カイケムは、お粥やソンタム(パパイヤサラダ)に使われます。人によっては、そのままご飯のオカズとして食べています。

タイの屋台料理の付け合せで出ることもありますが、4個入りのパックでも50〜60バーツ(約150円)で買えます。是非、味わって見て下さい。

それでは、また次回ッ!
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