学校の理科の授業で「メンデルの法則」について習ったと思います。
ここで分離の法則、独立の法則、優性の法則が説明されていますが、実際に植物育種(植物の交雑)を行なっていると目で見て確認することができます!
メンデル先生はエンドウマメを用いてこれらの法則を説明しましたが、大切なことは「違う個体・品種同士を交配・交雑した」ということです。
エンドウマメの交配も比較的簡単ですが、個人的には“ナス科”の植物の交配が初心者にも容易にできると考えています。その中でもピーマンやパプリカは交配後の種子の採取が簡単なのでオススメです。
今回は「植物の交配方法の基本」についてです。
違う品種や個体の交配を行うには、その植物が自殖・他殖・自家和合成・自家不和合成などのどれに当てはまるかを事前に確認する必要がありますが、そこは割愛です。
さらに開花時期を揃えるためにも、開花条件が長日・短日・積算温度・低温などと調整も必要ですが、ここも割愛です。
交配をする時間帯も早朝、日中、夕方(翌朝分)などで交配の成功率が変わってきます。
基本は「近くに違う個体の花が咲いていたら、交雑に挑戦してみる」 というのが初めの一歩です。
交配に使う道具は、ピンセットと消毒用アルコールだけです。
前おきが長くなりましたが、交配の手順は簡単です。
まずは、「翌日に咲くと予想される蕾」を見つけます。
※この蕾側に果実をつけます。
蕾を開けると黄色い雄蕊が見え、中央に雌蕊があります。
この際、 雄蕊に花粉が出ていないことを確認してください。花粉は目で見える場合もありますが、雄蕊が艶々していたり、色が薄めであれば大体は問題なしです。
ちなみに、この写真の横向きの雄蕊が開花した花(花粉あり)から取ったものです。
縦向きの雄蕊が蕾から取ったものです。
上側の方が色が濃く、茶色っぽくなっていると思いますが、これが花粉が出た状態です。
これらの雄蕊を全て取り、 雌蕊だけを残します。この作業を除雄(じょゆう)と言います。
この際、雌蕊が傷つかないように細心の注意を払ってください。
また、花弁を傷つけたり、除雄に集中しすぎて蕾を引っ張りすぎないようにして下さい。
最後に、除雄が済んだ後は違う個体から元気に咲いている花を取ります。
この花の花粉を軽〜く、除雄した花の雌蕊の柱頭にチョンッと付けるだけでOKです。
決して、塗りつけるような作業は不要です。「え?これだけ」くらいの気持ちでチョンッと柱頭につければOKです。
※ちなみに、この付け方も植物によって異なります。例えば、カボチャは塗りつけるくらいガッツリ付けた方が果実の形が安定します。
交雑後は、対象の花を紙で覆うことが必要な場合もありますが、それはハチやアブなどの虫媒での交雑を避けるためです。この時、アリにも注意が必要です。
虫媒での交雑を避けるには、網室というネットで覆ったハウスを準備することをお勧めします。
植物の遺伝的な固定には最低でも10回の採取が必要です。
その採取を行う過程では系統選抜などの作業を繰り返していきますが、「これだ!」という
個体や系統が見つかった際は次回の播種までドキドキが止まらないです!
以上、今回はマニアックな話をサラッと説明してみました。
それでは、また次回ッ!
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ここで分離の法則、独立の法則、優性の法則が説明されていますが、実際に植物育種(植物の交雑)を行なっていると目で見て確認することができます!
メンデル先生はエンドウマメを用いてこれらの法則を説明しましたが、大切なことは「違う個体・品種同士を交配・交雑した」ということです。
エンドウマメの交配も比較的簡単ですが、個人的には“ナス科”の植物の交配が初心者にも容易にできると考えています。その中でもピーマンやパプリカは交配後の種子の採取が簡単なのでオススメです。
今回は「植物の交配方法の基本」についてです。
違う品種や個体の交配を行うには、その植物が自殖・他殖・自家和合成・自家不和合成などのどれに当てはまるかを事前に確認する必要がありますが、そこは割愛です。
さらに開花時期を揃えるためにも、開花条件が長日・短日・積算温度・低温などと調整も必要ですが、ここも割愛です。
交配をする時間帯も早朝、日中、夕方(翌朝分)などで交配の成功率が変わってきます。
基本は「近くに違う個体の花が咲いていたら、交雑に挑戦してみる」 というのが初めの一歩です。
交配に使う道具は、ピンセットと消毒用アルコールだけです。
前おきが長くなりましたが、交配の手順は簡単です。
まずは、「翌日に咲くと予想される蕾」を見つけます。
※この蕾側に果実をつけます。
蕾を開けると黄色い雄蕊が見え、中央に雌蕊があります。
この際、 雄蕊に花粉が出ていないことを確認してください。花粉は目で見える場合もありますが、雄蕊が艶々していたり、色が薄めであれば大体は問題なしです。
ちなみに、この写真の横向きの雄蕊が開花した花(花粉あり)から取ったものです。
縦向きの雄蕊が蕾から取ったものです。
上側の方が色が濃く、茶色っぽくなっていると思いますが、これが花粉が出た状態です。
これらの雄蕊を全て取り、 雌蕊だけを残します。この作業を除雄(じょゆう)と言います。
この際、雌蕊が傷つかないように細心の注意を払ってください。
また、花弁を傷つけたり、除雄に集中しすぎて蕾を引っ張りすぎないようにして下さい。
最後に、除雄が済んだ後は違う個体から元気に咲いている花を取ります。
この花の花粉を軽〜く、除雄した花の雌蕊の柱頭にチョンッと付けるだけでOKです。
決して、塗りつけるような作業は不要です。「え?これだけ」くらいの気持ちでチョンッと柱頭につければOKです。
※ちなみに、この付け方も植物によって異なります。例えば、カボチャは塗りつけるくらいガッツリ付けた方が果実の形が安定します。
交雑後は、対象の花を紙で覆うことが必要な場合もありますが、それはハチやアブなどの虫媒での交雑を避けるためです。この時、アリにも注意が必要です。
虫媒での交雑を避けるには、網室というネットで覆ったハウスを準備することをお勧めします。
植物の遺伝的な固定には最低でも10回の採取が必要です。
その採取を行う過程では系統選抜などの作業を繰り返していきますが、「これだ!」という
個体や系統が見つかった際は次回の播種までドキドキが止まらないです!
以上、今回はマニアックな話をサラッと説明してみました。
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