今回は、タイ語でパクチーラオと呼ばれるハーブの原価と食文化についてご紹介です。パクチーラオは、日本ではディルと呼ばれていますね!

20210303_215838
パクチーラオは、イノンド属に分類させる唯一の植物です。"唯一"と聞くと珍しい植物のようですが、セリ科と聞くと急に親近感が湧くと思います。

分類の基礎知識として、界→目→科→属→種の順で細分化されます。
そのため、パクチーラオは「植物界→セリ目→セリ科→イノンド属→イノンド種」となるわけです。
植物の話をするときは「科」または「属」で大きく分けて話しますが、科だと聞き慣れた植物が多く登場すると思います。

20210303_211527
パクチーラオの葉を見ると、ニンジンにそっくりだと思いませんか?
それは、ニンジンも"セリ科"の植物だからです。
同じ科や属になると、容姿や特性が似てきます。

タイ料理では、パクチーラオはスープやサラダ(または付け合せ)に利用されます。元々はイサーン地域の食文化としてタイに定着したようです。

原産は地中海沿岸〜西アジアと広範囲です。
北欧では魚料理に利用される定番のハーブです。またはピクルス等への香付けに利用されています。

原産地の周辺では"香付け"が主な目的なのに対し、東南アジアのタイに伝わる頃にはスープなどへの"具材"になるとは不思議です。同じ植物でも、伝来の過程で様々な影響を受けるみたいですね。

パクチーラオの香りは強く、タイ料理の香辛料と混ぜても存在感を失う事はありません。逆に、これ位の香りがないと葉物野菜と同じ扱いになりますね。
同じセリ科のニンジンではセリ科特有の香りが嫌われますが、似たような香りを持つパクチーラオは香りが好まれるのは意外です。

ハーブとしての高い効能も注目されており、ストレス緩和などの鎮静作用、利尿作用、腹痛緩和、ガス溜まりの解消などが知られています。薬草として定期的に食べると、身体に良いことがありそうです!

20210228_094632
栽培は非常に容易で、種子をばら撒きにするだけです!
写真の畑は土が重く、排水性もやや難ありです。その為、高めの平畝にしています。

あとは、日当たりが良ければドンドンと育ちます。
肥沃な土地が好まれると言われていますが、そこまで気にしないで、元肥さえしっかりやればOKですね。30cm位になれば収穫できるため、追肥も不要です。

20210228_094403
収穫したら、1キロ単位で束ねていきます。
葉物の中では日持ちがいいので、前日の夕方に収穫して、翌日の午前中に集荷と出荷の準備ができます。

最後に、原価についてです!
この時は、「1キロ 8バーツ(約24円)」でした。
時期やバイヤーによっては、価格は大きく変動します。
バジルを卸したときは「1キロ 5〜15バーツ」が平均的なため、あまり価格差はないですね。

ただ収穫〜出荷の準備は、パクチーラオの根についた泥を落とすのが手間なだけで、バジルよりも簡単です。

20210228_094351
パクチーラオはセリ科の香りをしっかりと感じられて、健康的なハーブです。
是非、料理を見つけたらお試しください。

それでは、また次回ッ!
(このブログが面白かった方からランキングのクリックを頂けると嬉しいです)


タイランキング

にほんブログ村 海外生活ブログ タイ情報へ
にほんブログ村