タイで生活していると、「土が赤いな~」と誰もが思ったことがあるでしょう。
今回は、その謎を考えてみます。

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まず基本的な「土壌学」についてです。
“土”と“土壌’は学問的には異なっています。
”と呼ばれるものは表面に存在していて、学問上は“土壌物質”と呼ばれています。
土壌”とは、地層を1.5m程掘った場所の地層から採取したものです。

また、自然界で岩石から土壌が作られる速度は、熱帯の場合は「年間 0.1~1㎜程度」と言われています。

写真は、たまたまショベルカーが道の脇を掘っていたので撮影しました。丁度1mぐらいの深度でしょうか。
パッと見て、「赤いな」と感じませんか?

これには、しっかりと理由があります。

スマートフォンのカメラでは、肉眼程はっきり色の違いがでなかったため、今回のブログ写真は“彩度”を上げています。ご了承ください。

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前の「パイナップル生産地」に関するブログでは、産地の土壌が痩せているとお伝えしました。
なんとなく、表面が赤くなっているのが分かると思います。

一般的に、高温・多湿な熱帯雨林気候や熱帯モンスーン気候帯では土は赤色をしていることが多いです。タイでは、山に近くなると土の色が赤くなる場合が多いかと思います。

赤くなる理由は、、、
鉄やアルミニウムの酸化物と石英などの粒子が主体となっているためです。
分かりやすく言うと、鉄分が酸化して、赤く見えています。鉄が錆びると赤くなるのと同じ現象です。
この状態になっている場合、長期間の土壌生成作用と風化作用により、土壌の栄養分が失われていき土地が痩せてしまうのです。

この土壌は複合物の内容によりますが、赤色の場合は「鉄アルミナ質土壌」と呼ばれています。
(今回は見た目での判断ですので、その点はご了承ください)

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一方、タイの道路工事現場の土も赤いと感じたことはありませんか?
この赤い土は農作物の栽培には向きませんが、道路舗装には向いています。そのため、あえて赤い土壌を敷き詰めて鎮圧している事があります。

身近なところですと、“レンガ”も赤く、こうした土が材料として利用されています。

今回は以上です。
タイの土壌は、黒ぼく土に近いところもあれば、塩類集積が原因で表面が白い場合もあったりします。
観光ついでに道を歩きながら、土壌にも視線を落とすと面白い発見がありますよ!

それでは、また次回ッ!
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