日本では「ザリガニ」と聞くと、アメリカザリガニ、日本ザリガニなどが思い浮かびます。
色は、赤色〜茶色系の印象ですね。そして、、、食用ではなく、鑑賞用です。

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一方、日本の熱帯魚の愛好家の中では、“ザリガニ”ブームというのが数年に一度は訪れるものです。
例えば、2002年頃の青ザリガニブームでは、ブルーマロンやフロリダハマーという品種が一世を風靡しました。
最近では2017年頃には“タイゴースト(上記写真)"というカラーの品種が流行りました。
タイと日本間での甲殻類の輸出入では、タイ側の養殖場で寄生虫検査の証明書を取る必要があり、日本での個体価格が数万円になることもありました。
同様にタイゴーストがタイ国内で登場した際は、数千バーツ(1万円以上)の金額で取引され、中には1万バーツ(3万円以上)超えの個体もいました。タイの一般的な農家の月収が約2万バーツ前後であることを考えると、当時はザリガニ10匹程を販売しただけでも平均月収を上回るほどの取引がありました。

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 しかし、、、現在はザリガニブームも廃れ、上記の写真のようなカラーザリガニは当たり前のように市場で見ることができます。価格も20バーツ程であり、高くても数百バーツです(1,000円程度)。

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今回の視察は、そんなブームには流されずに定着したザリガニ養殖場です。
一見すると、養殖しているのは鑑賞用と同じ青いザリガニですが、食用の品種です。大きさは成熟すると30cm程になり、可食部も多いです。

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生育速度は遅く、卵から羽化するまで約14日間、そこから出荷サイズになるまで約4ヶ月間です。始めはコンクリートのプールで幼体の世話をして、網の隔離付きの池、普通の養殖池へと移動をしていきます。
コンクリートのプールでは、成体の交配を行い、卵の確保も自社で行っています。

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餌は、顆粒状で沈下型の専用商品があります。病気には強いですが、寄生虫が付きやすいため、 消毒用の薬も利用しています。

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出荷時の価格は、直売の場合は350 - 400バーツ/kg、バイヤーへの販売は250バーツ/kgとのことでした。
食用としては、主に中華系のタイ人やヨーロッパからの旅行者向けのレストランで調理されています。
この養殖場はナコンパトム県ですが、出荷されるのは300キロほど離れたチョンブリ県(パタヤ周辺)が多いそうです。中には、タイのプーケットでも利用するレストランがあるそうです。
このように元々はタイ料理の食文化になかったため、一般的な食材でないですが、ニッチな需要が安定して確保されているようです。

私も食べましたが、肉質は歯応えがありロブスターに近い感じです。味については、茹で上がりを食べたため、泥っぽい風味がありました。養殖場のため、調理前の下処理はややあまかったのかと思います。しっかりと料理されれば、これがザリガニと気付く人はいないでしょう。本当にロブスターを食べていると感じるはずです。 

もし興味のある方がいましたら、ヨーロッパ系のレストランへ行けば食材として利用されていると思います。是非、興味本位で探し歩いて見てください。

それでは、また次回のブログでお会いしましょう〜 

 
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