日本人からすると、「メロンは高級品」という印象が強いです。
しかし、タイのメロンは約150バーツ(500円以下)で売られ、とても安いです!
ただ、、、甘くない、、、
今回は、タイのメロンについて調べてみました。
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まず結論からお伝えすると、タイと日本のメロンは全く別物だから安いんです!
見た目は、ネット状の盛り上がり果実にあり、同じように見えます。
しかし、タイ人はメロンの事を「キャンタロープ」と呼んでいるのをご存じですか?
日本人はこの夕張メロンのような見た目のタイプを総称で「ネットメロン」と呼びます。

キャンタロープと言うのはメロンの種類の1つであり、肉質が固い又はゴムのような弾力をもち、甘みも強くないです。タイでキャンタロープが好まれて栽培されている理由は、タイの気候と関係しています。タイは年間で気温が高く、食文化として果物は水分補給の1つとして毎日食べられています。そのため、果物の甘さが強くないほうが喉の渇きを潤すのに適しています。糖度は10度前後が一般的でしょうか。
一方、日本のメロンは糖度14度以上が一般的であり、とても甘いです。肉質も柔らかく、デザートととしての立場を確立しています。
日本人が夏にスイカを食べるのと同じ感覚で、タイではメロンが食べられいます。

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しかし、最近では日本のネットメロンも注目されており、ネットメロンの専業農家も増えています。
今回、お邪魔した農家はナコンパトム県にあり、「栽培が上手くいくまで5年以上かかった」と言われていました。
写真のようにハウス内で栽培し、「立体(りったい)」と呼ばれる方法で支柱が立てられえています。キャンタロープは地這(じばい)でも問題なく育ちますが、ネットメロンの場合は果実にできるネット形成で傷がつかないようにするためにも、立体栽培が向いています。
さらに、地這栽培では複数の果実をつけて生産量を優先することもありますが、立体栽培では1株1果実で丁寧に育てていきます。だいたい10節目あたりに果実を着果させてるため、上の方は葉っぱだけです。
ここの農家さんは、ハウス栽培以外にも露地栽培で立体を組んでいましたが、タイは雨季などの大雨があったりと、なかなか生産が上手くいかないようです。

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ハウスの中では、湿気も溜まりやすく、高温になります。
そのため、ウリ科の天敵でもあるうどん粉病が発生しやすく、一度発生してしまうと殺菌が難しいとのことでした。実際に、1棟がまるまるダメになっているハウスもありました、、、

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手塩に掛けて育てられたメロン達ですが、最後はタイらしく大胆な箱詰めをされていきます。しかし、集荷は大胆でも、ネットメロンの象徴でもあるT字の茎(通称:アンテナ)は守られていました。キャンタロープであれば茎の根元から切り取られます。
集荷については、日本では農協に卸すのが一般的ですが、タイには農協というシステムがありません。バイヤーと契約して販売するのが一般的です。

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最後は、こんな感じで都会のデパートで売られていきます!
集荷方法も大胆ですが、販売方法も大胆ですね、、、日本では見られない珍しい景色です。

タイでは、“追熟”という文化が無いため、デパート等で売られているメロンは硬いものが多いです。もし購入された場合には、1週間ほど常温で保管してから食べるほうが甘みを強く感じられます。冷たいメロンを食べたい場合は、食べる前に冷蔵庫にしまうと肉質の劣化を抑えられますよ!

次回のタイの農業ネタもお楽しみに~



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